本レビューに、24,308例の参加者を対象にした79件のRCT(関連性のある比較90件)を選択した。バイアスリスクの点で研究は多様であった。 主要解析の結果、Collaborative careモデルを用いて治療を受けた成人うつ病患者のうつ病アウトカムは、短期(SMD -0.34、95%CI -0.41~-0.27;RR 1.32、95%CI 1.22~1.43)、中期(SMD -0.28、95%CI -0.41~-0.15;RR 1.31、95%CI 1.17~1.48)、長期(SMD -0.35、95%CI -0.46~-0.24;RR 1.29、95%CI 1.18~1.41)いずれにおいても、有意な改善がみとめられた。しかし、これらの有意な有益性は、超長期では示されなかった(RR 1.12、95%CI 0.98~1.27)。 また、Collaborative careモデルによる治療を受けた成人不安障害患者の不安アウトカムにおいても、短期(SMD -0.30、95%CI -0.44~-0.17;RR 1.50、95%CI 1.21~1.87)、中期(SMD -0.33、95%CI -0.47~-0.19;RR 1.41、95%CI 1.18~1.69)、長期(SMD -0.20、95%CI -0.34~-0.06;RR 1.26、95%CI 1.11~1.42)で、有意な改善が示された。超長期の不安アウトカムに対する本介入の効果を検討した比較はなかった。 薬剤使用、精神保健上の生活の質、患者満足度などの副次アウトカムにおいて有益であるというエビデンスがみられたが、身体的生活の質に対する有益性のエビデンスはみられなかった。


 うつ病の治療には「休養」、「薬物療法」、「精神療法・カウンセリング」という大きな3つの柱があります。こころの病気の治療は特別なものと考えがちですが、じつはこの治療の3本柱は身体疾患と基本的に同じです。たとえば骨折を例にとってみますとイメージしやすいかもしれません。骨が折れてしまった場合には、患部をいたわりギプスを巻いてあまり使わないようにします。これが「休養」にあたります。しかし腫れや痛みといった症状がひどい場合には、休養もしっかり取れません。そこで鎮痛剤を服用することになります。このように苦痛な症状を軽減し休養を有効に取りやすくすることによって、自然治癒力を引き出そうというのが「薬物療法」です。さて最後に骨がまた折れることがないよう、再発予防を考えます。強い骨にするために日常生活でもカルシウムを多く摂取するように心がけるなど、生活習慣上の対応を考えていくのが「精神療法・カウンセリング」にあたります。
 パニック障害が治療対象となったのは1980年代以降です。それまで強烈な不安が、動悸や呼吸困難感とともに襲って来ることがあり、耐え難いものであることは、あまり認められていませんでした。生涯でパニック発作を経験する人は、全人口の数十%に達すると言われて居ますが、「心臓の病気かと思って病院に行ったけど、気のせいだった」などと、振り返って多くは笑い話になってしまいます。しかし、その時の不安は強烈で、なかなか制御困難であると言われています。パニックと診断されるのは少し抵抗があって、「アナライズ・ミー」というロバート・デニーロの喜劇映画がありますが、この中で「あんたは単にパニックなんだ」と軽く告知した医師に、「俺がパニックだと!」と激怒したマフィアのボスであるデニーロが襲いかかるシーンがあります。体験する本人には深刻な問題なので、丁寧に説明する必要があります。
×